日曜日

BMW R1100RS M97トランスミッション、開けてチェック (オーバーホール?)

なぜか天気予報急変、今日も雨。こんな日はやること一つ。

バラシ!

昨日仕舞ったばかりのものを引っ張りだす

インプットシャフト、摩耗なし

オイルシールのリップ破損防止のためテープを巻きます

ボルトを外します

でかいHEXボルト外します

内にはニュートラル出し用ボールとスプリング

ミッションケースを割る前に、ニュートラル出し用スプリングとボールは取り出しておいたほうが良いです。ボールの取り出しはお探しくん(先っちょに磁石のついた棒)がないと取り出せませんが、最低限スプリングは抜いておきます。さもないと、下手をすると蓋を割った時にボールがスプリングの力でどこかにすっ飛んでいくかもしれません。たかがボール1個ですが、無くすとミッションが再起不能に成るかもしれません。

パンパン叩きます

もう少し

あまりに嵌合が固い時はケース蓋のベアリングの辺り(大きな丸い出っ張り部分)を外側からヒートガンで120度位まで温めます。流石にここはバーナーであぶらないほうが良いかな...ヘタするとケースにヒビが入るかもしれませんので。

ご開帳

きれいなもんだ

見た目の綺麗さでトランスミッションのクオリティを語れるほど事は簡単じゃありません。まあ見た目が綺麗ということはクタバリ具合を推測する上で大事な要素の一つでは有りますが...ギアの調子が悪くてモリブデンとか入れてたミッションは中が真っ黒になっていますので洗浄が必要です。

ちなみに、アウトプットシャフトの前方ギアはかる~くミッションケースに当たっていた形跡がありますね。

ギアオイルを抜きます

クリアランス調整用シムが入っていました

一応組むときにはシムは再調整ということになっているのですが、元々入っていた場所は覚えておいたほうが良いです。

シフトドラムの抜けドメになっているサークリップを抜きます。ギアポジションスイッチの奥にいます

シフトレバーのセレーションにも保護用テープを巻きます(まだ巻いていませんが...)

シフトドラム抜けました

コイツを抜くには別にコツも何も要りません。シフトフォークのシャフトを両方共引きぬき、シフトフォークをドラムから離れさせ、ドラムを引き上げます。ドラムのしたの方でシフトカムが絡んでいますので、シフトカムと一緒に引っこ抜くか、もしくはドラム下の切り欠きにシフトカムの爪位置を合わせてドラムをスルッと引き上げます。ドラム下にはシフトカムが引っかかるピンが4本ほど入っていますが、入っているだけですのでオイル粘度が下がる夏場だとピンはケース底に抜け落ちるかもしれません。あとで拾えば良いです...が、ギア側に落っことすとちょっと難儀するかもしれません。ギアセットを必ず抜くことに成ります(ギアセット引っこ抜く覚悟しているなら構いませんが)。

案の定、ピンはケース底へ落ちました

ギアの歯面、ドッグの状態をチェック

まだシフトフォークは抜いていません。ドラムに入るフォークの出っ張りに入れてあるローラーは外してあります。フォークを引っこ抜く前に、何処にどの形状のフォークがどういう向きで入っていたか写真などで記録しておくのが良いと思います。間違えて組んだら...考えたくありません。

ちょっと...

シフトフォークシャフトを戻してあります。ちょっとバラしていて気になっているのは、右側のフォークシャフトがちょっとくすんで居る点。よく見るとフォークの摺動部分はほぼ地金が出ているのですが、摺動部外側はくすんでいますのと、若干そのくすみが摺動部にかかっている点です。なんだろう、このくすみは...何かの処理がなされた痕なのか、それとも何かが付着した痕なのか...そぎ落として良いのかいけないのか分かりません。まさか、WPC処理とかDLC処理とかそんなことはやって無いと思うのですが。

ドッグは全く無傷

何度がガッツンとやったことが有る割には、全く傷がないっていうのも不思議。一説では車並みにギアが厚いと言われています。

歯面は完璧です。全く摩耗が見られません

ギアでよくあるトラブルは、歯面の虫食いらしいです。何かのトラブルで鉄片が入ると虫食いが発生し、以降伝染するらしいです。

そもそも中古でしたが、入手以来68000キロ辺りから12万キロを超えるまで、一応大事に乗ってきたつもりです。本当に12万キロ走ったミッションか?と思うほど綺麗でした。ギア関係は何もやること有りません。

ギアをばらしては居ませんのでギアシャフトのスプラインまでは見ていません。一応無負荷でギアがきちんとスライドすることは確認しましたが、得てしてバイクで問題になるのはスプラインに回転負荷がかかっている時にギアがスムースにスライドするのか?というところ。このミッションの場合、その気になってもカウンターシャフトはバラすことが出来ませんです。

シフター

曲がり、摩耗のかけらも見当たりません。そもそもシフターカム以外は力のかかる部分ではないですし。R100系はリターンスプリングが折れてさようならに成ることがまま有るようですが、R1100系は丈夫らしいです。

シフトドラム

一番懸念していたシフトドラムはアルミ製ですが、フォークがなぞる溝になぞられた痕跡はあるものの摩耗は殆ど見られません。一応シフトフォーク側にローラーが入っているからなんでしょう。本当に12万キロも走ったのですか?と思えるほどです。

シフトフォーク

流石に

ちょっと

摩耗が見られます

その他、ベアリング類もチェックしましたがこのまま使えそうです。交換するとしたらシフトフォークぐらいしかありません。シフトフォークもこのまましばらく使えるといえば使えます。

以前、高負荷加速中にガーっという音を発していたため、ドライブトレーン一式(M94ミッション+ドライブシャフト+スイングアーム+ファイナルドライブ)を若いものに交換し問題が解決したのですが、今回開けたミッションの中を見て思うに、どう考えてもミッションやドライブシャフトが問題だったようには思えないのです。思うにファイナルドライブユニットが原因だったのかなぁという感じです。ミッション単体の性能はM97の方が上(シフトフィーリングなど)ですので、機会が有ったらもう一度ミッションだけM97に戻そうかと思います。強いてやることと言えばシフトフォークの交換ぐらいでしょうか。ただ、シフトフォーク部品代だけでも相当な値段しますので、もったいないですが若いM94をバラしてフォークだけM97へ移植するという案も考えられます。もしくはフォークやフォークスライダーにWPC処理を施すというレース用?対策もあるようです(結構高価です)。

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