ならば、コンピューターを騙してしまえという発想があります。ブースタープラグっていう製品がありますが、それもその発想です。これは吸気温度を誤魔化すって言う代物です。機能説明を読む限り、気温による空気密度を誤魔化すっていう発想みたいです。たしかに空気密度は絶対0度(つまり-273度)からの温度差で決まります。単純なクローズドループの入力であれば確かに気温誤魔化すと吐く燃料が変わりそうにも見えます。
ちなみに、外気20度の時に温度センサーを0度にごまかしますとどうなるかといいますと、
293/273≒1.073
(温度を下げますと空気密度が上がり、同一重量の体積が減りますので、同一体積(シリンダー容積)でみた場合、空気重量はその逆で増えています)
つまり空気密度という観点だけで見ますと理論上は同一容積あたりの吸入酸素重量は7.3%増加したように見えるわけです。もしコンピューターが1:14.7の空燃比を維持しようと吐出燃料量を再計算するならば、バランスをとるために燃料を7.3%ほど余計に吐こうとするはずです。
ブースタープラグは全温度域で6%ほど燃料を余計に吐くように設計されているらしいです。ということは、273×0.06≒16度ほど気温を低めに誤魔化せばコンピューターは全温度域で6%余計に燃料を吐くという計算です。
しかし、しかし…
F650GSは全機種最初っからO2センサーが付いています。つまり、こいつが働いてしまうと、コンピューターはクローズドループ制御で空燃比を14.7:1に持ち込もうと燃料の吐出量調整を始めてしまうはずです。
ということは、この方式で燃調をリッチにできるのは、非クローズドループ制御領域のみということになります。果たしてどれだけ効果があるのやら。
確かに、オープンループ制御機であれば効果はきちんと出そうです。
F650GSの吸気温度センサーはエアクリの先っちょのエアインテークチューブの下側についています。
右がエアインテークチューブ
センサーは真ん中辺りの下側に居ます(これはセンサーコネクタ)
中身はどうせサーミスタでしょう。一般的には温度による制御には(安価な)NTCサーミスタというのを使います(NTCサーミスタであれば、温度の上昇に連れて抵抗値が下がります)が、現物を見てみないとなんともいえません。
ただこのセンサー付いている場所が良くないですね。ここはラジエターの真上、渋滞などでノロノロ走っていたり信号で止まっていたら、とんでもない温度になるのでしょう。確かに渋滞でノロノロ走っているとエンジン回転が妙に落ち着かない状態になるのはもしかしてそのせいなんでしょうか…わかりません。一度センサー位置を変更して実験してみようと思います。
(NECのD53サーミスタ)
※ バイクに付いているのとは違うと思います
仮に現物の型格がわからなくても簡単な実験で特性カーブは描けます。いつか現物を取り外して実験してみようと思います。サーミスタにテスター(抵抗計)を繋いでお湯に浸け、徐々に冷やしながら抵抗値をサンプリングすれば出来上がります。特性カーブさえつかめれば誤魔化し回路を書くのは簡単です。
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