火曜日

RH975S ナイトスター 2500キロツーリング(信頼性の件)

 ナイトスターで10日間、長距離フェリー2回、短距離フェリー2回、高速600キロ、下道2,000キロ、豪雨走行などでいろいろ経験。今の結論言うと、良い旅バイク候補だが、雨天時の信頼性には課題ありに思えた。


NC750X、CL250とつるんで10日間2600キロ・ツーリング


土砂降りのなか2時間走行で耐水圧20,000mmのカッパ水没…

10年以上前から使っている南海のビニール引きの
ブーツカバーだけは全く浸水しなかった。
EOLしてるけど良い製品だった。


トラブル

やはりちょこっとトラブルに遭遇

1.キー回しても電源がはいらない(大雨走行後、数日して1回だけ発生)

2.突然アイドルが1000近くまで落ち、吹けにくくなる(2回発生)

3.雨中走行時、ブレーキランプが平坦路でピカピカ点灯(後続の友人から指摘)

4.USB電源が時々供給止まる(スマホ充電が停止)


1.は温泉立ち寄った後の再スタートで発生。何度スイッチ入れても電源が入らない。発生したときは一瞬青ざめた。ギアを入れて車体を前後に揺すって放置し、どうしたものかと数分思案してたら何故か復活した。噂のメインヒューズリセットまで行くかと思ったがそこまでは必要なかった。これは少々おっかない症状なのでディーラーへ持ち込んで点検予定。

2.は渋滞にハマっている時と、海軍基地近くを走っている際に発生。エンストするわけでもなく吹けにくくなるがそのうち自然と収まる。なんだこれは?

3.は自分で見てないのでなんとも言えないが、晴れている日にはならないとのこと。

4.は大雨遭遇後に発生。見覚えのあるこの充電不安定さは水による漏電系に思えた。なぜかアイフォンのほうがアンドロイドより弱かった。

トラブったもののレッカー呼ぶ事態には至らなかったのは不幸中の幸い。今回ツーリングに出る前に晴天時のみ既に3000キロほど走っていたが、上記トラブルには一度も遭遇したことがない。今回もすべて集中豪雨のなか2時間走行した後に発生。どうやら雨(洗車も?)が鬼門らしい。コンピューターはどのメーカーも流石に完全防水だと思うが、センサー類とかハーネス系が弱いかも。BMWはその辺りは絶対的信頼あり。アメリカ設計品だからか?


シート(改造)

この改造、見てくれは別にして乗車姿勢のラクチンさという面では今のところ自分的にベスト。数時間すると尻の表面がムズ痒くなるがこれは体重を足で支えずドカッと座る系のシート(というかバックステップ以外の乗車姿勢、多分フォアコンが一番酷いとは思いますが)ではだいたいどれでも同じ、そもそも尻側の生理的問題なのでコマメに休憩挟むしかない。腰の折れ具合から見た着座位置(ハンドルと尻の位置関係)は、170センチ弱の自分にはベストなので自分は当面このシートで行くつもり。できればどこかのタイミングでシート屋に持ち込んできちんと改造したいと思うのだが、この改造には良い点がもう一つ有った。

大雨でカッパのパンツが水没しませんでした。ハニカム構造の座布団の効果ではないかと想像してます。今回は線状降水帯の下を2時間ほど走り、カッパの上は前たてだけでなく、肩から腕から腹から見事に水没したのですが、下は全く湿りもしませんでした。通常ですと大雨ではカッパのパンツは尻の下の縫い目あたりからジワジワ来るのですが、今回は全く来ません。思うに、今回はハニカム構造の座布団のせいでカッパとシートが面で接していないので、水圧が必要以上にかかることがないせいではないかという想像です(水を通さないカッパ生地とシート生地の間に水が入った状態でその上から尻で圧力かけたらどうなるか想像してみてください。カッパの耐水圧20,000mmとは、単位面積あたりの生地に掛かる圧力たかだか2kg/cm2相当…尻の接地面積に均等に体重掛かるならじっとしていれば耐えられるかもしれませんが、乗車中ゴニョゴニョ尻動いたらそのうち場所によっては水風船を尻で潰したような状態になって破綻します。そのチョットチョットを長い時間繰り返していればそのうち水没状態になるのでは)。もし新しいパンツ水没のメカニズムがそうだとすれば、通気性の良い夏用のメッシュカバーでも効くかもしれません(縫い目の防水シールが効かなくなったパンツはそれ以前の問題ですが、モシカしたら下から上がってくる水には多少効くかもしれません)。


走り

ハーレーで走りを語るなんてナンセンスっぽいが、実はナイトスターどんなペースでも気持ちよく走れる(言い方変えると無理せずただ気持ちよく走っていてもけっこうなペースで流せる)。NC750Xの快走ペースでも全く問題なく、一方CL250に合わせたペースで走っていても全くストレスなく、ツーリングレベルで走りを語るならペース的にはある意味オールマイティ。そりゃF800Rなどと比べると違いはあるけど比較自体がナンセンスで、その比較が気になる人はそっち乗ってりゃ良いと思う。

バンク角は思いのほか深く、タイヤのセーフティ・リングは残すところあと一センチほどだが一度も車体やステップを擦ることはなかった。ただこのバイク、リアサスのストロークは短いので、不意のギャップに備えてバンク角には余裕を残しておくほうが利口。

重心が低いため、少々オーバースピード気味でもコーナリング時の恐怖感はない(というかそんなに傾けなくても楽に曲がる)。曲がり方は内ステップを踏んできっかけ作ると回りだすという感じでいかにもクルーザー的なそれ。コーナリングはトルクさえかけていればオンザレール感が強く、車線の右側でも左側でも狙ったラインの上を自由自在に操れるため、限界走りをしていない限りコーナリング中でも障害物を避ける余力あり。コーナリング速度が速いとかそういうのはどうでも良くて、いつでもキチンと狙ったラインを走れるってのが旅バイクでは一番重要では。


郊外巡航走行

エンジン制御の味つけなのか勝手に回りたがらないセッティングが秀逸(昔のホークⅡ思い出した)。今どきのバイクはだいたいが、トルクが乗り出すと勝手にパワーがもり上がっていく(増速していく)特性だが、このエンジンは明らかに味付けが違い、トルクはフラットでスロットル回し多分だけパワーが出る印象。エンジンに急かされないので平和な運転がストレスなく可能、これ結構大事。


高速走行

Sモードに入れていればバイク自体は激速で、120巡航程度なら岩のように直進する(人間が風圧に耐えられれば)。しかしこの速度域は風と人間の問題であって、ネイキッドなハーレーはひたすら辛い。ツーリングで何時間も走り続けるのであれば、それなりの風防つけるか80巡航で割り切るのが吉。


市街地

ゆっくり走行もストレスはないが、低い回転では燃焼のばらつきが少し大きく(O2センサーのせい?)、低回転からスナッチできれいに加速させるのは難しい(ギクシャク感強い)。もう少しスムースに低回転が回らないものか…


取り回し

そこそこ車重はあるのだが、意外と取り回しは良い。多少の下り坂、砂、砂利などで足場が良くない状況でも跨ったままバックできるシート高は絶対的に心強い。車体サイズも少々長いだけでバカでかいわけではないので狭い場所へ停めるのもなんとかなる(大型バイクの鬼門はバック)。


ABS

小刻みにめっちゃよく働く。雨の日マンホール踏んだ際、キチンと機能していた。


トラクションコントロール

最初はこれ要るの?と思ってたけれど、ツーリングだとよく砂利や砂の路肩から発進する羽目になるが、TCは気づかぬうちに地味に仕事している模様、適当に発進しても大きくパワースライドを食らうことはなかった。車重とトルクがあるのでこれがないと悪路発進は結構神経使う(だいぶ昔、TDMに乗ってた頃、砂の浮いた路肩で加速かけて死ぬかと思ったことあり…TDMは270度ランクでとってもパンチの効いた加速します。ナイトスターも理論的には270クランクなので…TC無いと大変かも)。


要改善ポイント

エンジン、低速域でギクシャクする(圧縮比高杉?)

積載は要改善(オプション少なすぎ問題)

バーエンドミラー、視界は良いが日本の道には幅が広すぎ(結構街中駐車で難儀)

雨走行考えるとUSB電源は別に防水仕様の口準備が望ましい

この時期でも渋滞捉まると股下暑い、おそらく夏は地獄を見るだろう…(でも水冷ゆえエンジンは元気…)。水冷になったとて、やはり渋滞路を走れるバイクではない。そういう所へ行かないというのが正しい対処

相変わらずお馬鹿なウインカーのオートキャンセラー、不便どころか危ない(本人気づいてないが勝手に切れて廻りに誤解を与えるので危険…これで事故起こしたら誰のせい?個人的には余計な神経を遣わされるキャンセラー機能をキャンセルしたい)

クルコンは日本の高速では使い物にならない(中途半端な速度(100キロ以下)で使うと派手に加減速を繰り返すのでとても不快)。設定が日本の道路事情に合っていない。唯一可能な対処法(不快感軽減方法)はレインモードにすることである(反応が少し鈍くなる)

電気仕掛けになったため、とにかく露出している配線が多すぎ、全然スマートじゃない。せめて隠すべし(兎に角洗車、掃除が面倒)


今今の信頼性結論

どうやらこいつ水に弱いバイクと思われ、徹底的に防水対策したら信頼性上がるのかもしれないが具体的にはハテナである。やはりチャレンジャーでないと手出しが難しいバイクなのかも。


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