火曜日

R1100RS メーターギアのメンテ

先週末は寒い日でした。走りだした途端スピードメーターが大きくぶれます。速度が上がると、20キロ辺りで小刻みに揺れています。距離計の進みも遅くなっている…そのうち収まるだろう…なんて考えてはいけません。走り続けるとギアを壊します。

この症状、メーター故障では有りません。十中八九メーターギアです。ワイヤー切れたらメーター動きません。ワイヤーが半ギレの時は即効で千切れ、ワイヤーが中でスタックし、メーターギア壊れます。

で、針が変に大きくフラフラ揺れたら…あなた直前にメーターギアをオーバーホールしたでしょう?はいやりました。リチウムグリスをてんこ盛りに突っ込みました。

RSのメーターギアは、メータ故障、ワイヤー故障などが発生した際、フロントホイルの回転に影響を与えないよう、メーターギアが逃げるOR壊れる設計になっています。

寒い時期にメーターギアをオーバーホールしてグリスなど沢山突っ込むと高負荷が掛かり、これに近い状態になって、メーターギアの爪とホイール側の爪の咬み合いが逃げるようになっています。爪が逃げますと相手の爪を乗り越えて逃げ、又溝に戻ってくる動きを繰り返し、メーターの針が大きく揺れます。速度が上がってくると半分爪が逃げっぱなしの状態になり、低い速度をさしたままユラユラ揺れます。

この症状になったら、走るのを即座にやめなければなりません。走り続けているとメーターギアの爪が削れて再起不能になります。

出先でその症状になったら(もしグリスなど突っ込んだ覚えがあるなら)、速攻でバラし(車載工具でメーターギア取り出すところまでバラせます)、グリスを落とせるだけ落とし、エンジンオイルかCRCを吹き付けて、軽くメーターギアが回るようになるまでグリスを薄めます。大概の場合、これで復活します。

で、帰宅しキチンとメンテします。


スピードメーター周り一式

メーターワイヤー

手入れが悪いと、意外とよく切れます。

油切れはいけませんが、グリスてんこ盛りも故障の原因になります。
インナーワイヤーは一旦アウターから全部抜き取ってグリスを目地にしっかり練り込んだら、次はウエスで落とせるだけグリスを落とします。最後にオイルを吹き付けて軽く拭います。
アウター内部にはオイルを吹き付け、インナーを戻し、一晩逆さまに吊るして無駄なオイルを抜き取ります。

メーターギア

このギア、メチャクチャ弱いです。負荷がかかった時、壊れてホイル回転を維持するように設計されています。負荷かけて走っているとアッという間に壊れます。

一番の問題は、ギアを壊すとこの樹脂のギアのみで部品が出てこない点です。メータギアASSYまるごと手配することになります。高いです。$80程なので日本円だと1万円位になりますか…ギア壊すと高く付きますので兎に角壊さぬよう。

私もやりましたが、ここにグリスをカッ詰めるのはやめたほうがいいです。うっすらリチウムグリスを塗り、エンジンオイルを挿してグリスをトロトロに薄めておきます。ギアを指で回して強めの抵抗を感じるようでしたらダメです。
夏場はグリスもソコソコ柔らかいのでまずグリス要因の現象は出ませんが、寒くなってくると現象が出やすくなります。

2年に一度くらいはバラしてキチンとお手入れが必要に思います。BMって、結構色んな所がキチンと作られており、乗りっぱなしするとすぐあちこち逝かれます。ですが、キチンとメンテしているといつまでも最高の性能を発揮します。まあドイツ製品ってどれもそういう感じの所ありますね。

バイクじゃないけれど、昔持っていたマウザーK98(モーゼル)ライフル(ユーゴスラビアのコピー)のボルトアクションも、見ていて惚れ惚れする動きをしました。第二次大戦後、世界中の銃メーカーがあのボルトアクション設計を真似したりコピーしたくらいですから…ちなみに今でもレミントンとかほぼ同じ設計してますね。



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