日曜日

BMW R1100RS エンジン到着、チェックします


RSエンジン

走行約32,000キロの2001年式エンジンです。パレットに乗ってきまっした。営業所度目でしたので取りに行ってきました。


シリンダーずれているの分かりますか?

ボクサーって、実は上からよく見るとシリンダーがクランクの幅分だけずれているんです。そのせいか分かりませんが、自然とステップにおいた足もこの分だけずれています(私だけか?)

クラッチをバラス前にはペイントを打っておきます


SACHS製ですね

インレットバルブ

メチャメチャ綺麗です

おそらくバルブステムシールはまだ生きていると思われます。スロットルのインテーク側やインテークポート内は常時負圧なので、吸いだされたエンジンオイルでグダグダになっていたらだいたいインレットバルブステムシールが逝かれています。オイル下がりは吸気側で起こります。ですのでインレット側バルブステムがやられることは滅多にありません。排気側は常時爆発ガスで正圧なのでバルブステムシールがやられても通常オイル吸い出しは起こりません。逆にヘッド内へ吹き出すだけです。ゆえにバルブガイドがやられるのはだいたい排気側です。

排気側バルブ

まあこんなもんですね。

でもどうして左右とも下側ポートだけ真っ黒?実はこの現象は現在RSに乗っているエンジンも同様な感じでした。ポート形状所以なのか…

HES!

これが突然死で有名なHESコネクター。問題はホール素子ではなくてこのケーブル被覆なんです。被覆が所々割れています。ここが何かのタイミングでショートするとホール素子が破壊されて突然死することがあります。このまま放置はちょっと怖いなぁ。

腰上をオーバーホールするつもりでしたが不要と判断しました

短い!

縦置きエンジンって、前後に長いんでしょう?と思われるかもしれませんが。並列エンジン並みに短いです。上から見るとたったこれだけ。


玄関に鎮座

しかし、置き場なんとかならんかなぁ。



水曜日

BMW R1100RS ファイナルドライブからドライブシャフトのジョイント取り外し

これまで取り外した部品は物置に放りっぱなしでしたので、再利用時のことを考えて手入れします。古いファイナルドライブはドライブシャフトの継ぎ手がひっついたまま放置されていましたので取り外し、ドライブシャフトとして完結させておきます。

長い間、こんな状態で放置されていました

ちなみに、ファイナルにひっついている継ぎ手はドライブシャフトの一部です。スプライン嵌合部にスナップリングが入っているため、手で引っ張っても抜けません。ちなみに純正のBMWスペアパーツはこの継ぎ手とドライブシャフトがセットで供給されます。

ドライブシャフトを元のように挿入します

継ぎ手の隙間にドライバーを突っ込みます

奥まで入れてはいけません。ドライブピニオンギア・シャフトの中心まで差し込みます。

ドライブシャフトを手前へエイっと引きますと外れます

ココは外から見る限りなんの問題もなかった…

中はこんなふうになっているらしい

じつはココの傘歯車シャフトのベアリングなどを懸念していました。駆動力をかけるとこの歯車は前進側へ逃げようとする力が強力に働くはずです。その力はドライブシャフト側は一切支えていません(ドライブシャフトのスプラインに入っているだけで、前後にはフリー状態)ので、5番のベアリングが軸方向の力を全て受け止めているはずです。

傘歯車の軸を手で揺する限り、全くと言ってよいほどガタは有りませんでした。もしここのベアリングが逝っていた場合、デカイ万力は要るやら、専用工具は要る(3番のリングを外すのに)やらで工事はとんでもなく大変。ただ、ここがヤラれたというネタは海外ネタ探しても少ないです(ここからファイナルのオイルがスイングアーム内に漏れたというのはたまに見かけますが)


クラウンギアの嵌合にガタがないことは解りました。クラウンギアを手で回してみればすぐ解ります。ここが逝っていたらトンデモナイ出費になります。ギアのセットだけで$644!...
なお、リアのブレーキディスクローターは、このクラウンギアに直留めですが、ロックタイトを焼かずにローターを外そうとしてローターを留めているねじを折ってしまうケースを良く聞きます。折れたネジをほじり出せなかったら...トンデモナイ出費が待っています。


よくヤラれるのが、3番のベアリングらしい

ここは壊れてガラガラ音でも出していればすぐ解りますが、クラウンギア本体が1番のオイルシールにキッチリとハマって居るので、摩耗が微妙な状態だったら手で揺すったくらいではワカラナイかもしれません。おそらくバラしてみないとワカラナイ。ただ、一度ここをバラすとベアリングサイドのシム調整が必須に成りますので面倒です。開けてみるかどうか思案中。

リアディスクも取り外しました

リアディスクはまだまだ使えますので取り外してスペア部品化しました。

しかし開けたところで、不具合見つけたら作業ともかく新品部品がメチャクチャ高いです。開けてダメだったら状態の良い中古のファイナルドライブをみつけてポチるっていうのが現実的な解決策かもしれません。ここは外観の綺麗さだけでは何も語れないので、ポチるのはある意味、賭けになります。安いのをポチってバラして確認し、状態の良い物に当たったらそれを残すという手しか無いかもしれません。

日曜日

BMW R1100RS M97トランスミッション、開けてチェック (オーバーホール?)

なぜか天気予報急変、今日も雨。こんな日はやること一つ。

バラシ!

昨日仕舞ったばかりのものを引っ張りだす

インプットシャフト、摩耗なし

オイルシールのリップ破損防止のためテープを巻きます

ボルトを外します

でかいHEXボルト外します

内にはニュートラル出し用ボールとスプリング

ミッションケースを割る前に、ニュートラル出し用スプリングとボールは取り出しておいたほうが良いです。ボールの取り出しはお探しくん(先っちょに磁石のついた棒)がないと取り出せませんが、最低限スプリングは抜いておきます。さもないと、下手をすると蓋を割った時にボールがスプリングの力でどこかにすっ飛んでいくかもしれません。たかがボール1個ですが、無くすとミッションが再起不能に成るかもしれません。

パンパン叩きます

もう少し

あまりに嵌合が固い時はケース蓋のベアリングの辺り(大きな丸い出っ張り部分)を外側からヒートガンで120度位まで温めます。流石にここはバーナーであぶらないほうが良いかな...ヘタするとケースにヒビが入るかもしれませんので。

ご開帳

きれいなもんだ

見た目の綺麗さでトランスミッションのクオリティを語れるほど事は簡単じゃありません。まあ見た目が綺麗ということはクタバリ具合を推測する上で大事な要素の一つでは有りますが...ギアの調子が悪くてモリブデンとか入れてたミッションは中が真っ黒になっていますので洗浄が必要です。

ちなみに、アウトプットシャフトの前方ギアはかる~くミッションケースに当たっていた形跡がありますね。

ギアオイルを抜きます

クリアランス調整用シムが入っていました

一応組むときにはシムは再調整ということになっているのですが、元々入っていた場所は覚えておいたほうが良いです。

シフトドラムの抜けドメになっているサークリップを抜きます。ギアポジションスイッチの奥にいます

シフトレバーのセレーションにも保護用テープを巻きます(まだ巻いていませんが...)

シフトドラム抜けました

コイツを抜くには別にコツも何も要りません。シフトフォークのシャフトを両方共引きぬき、シフトフォークをドラムから離れさせ、ドラムを引き上げます。ドラムのしたの方でシフトカムが絡んでいますので、シフトカムと一緒に引っこ抜くか、もしくはドラム下の切り欠きにシフトカムの爪位置を合わせてドラムをスルッと引き上げます。ドラム下にはシフトカムが引っかかるピンが4本ほど入っていますが、入っているだけですのでオイル粘度が下がる夏場だとピンはケース底に抜け落ちるかもしれません。あとで拾えば良いです...が、ギア側に落っことすとちょっと難儀するかもしれません。ギアセットを必ず抜くことに成ります(ギアセット引っこ抜く覚悟しているなら構いませんが)。

案の定、ピンはケース底へ落ちました

ギアの歯面、ドッグの状態をチェック

まだシフトフォークは抜いていません。ドラムに入るフォークの出っ張りに入れてあるローラーは外してあります。フォークを引っこ抜く前に、何処にどの形状のフォークがどういう向きで入っていたか写真などで記録しておくのが良いと思います。間違えて組んだら...考えたくありません。

ちょっと...

シフトフォークシャフトを戻してあります。ちょっとバラしていて気になっているのは、右側のフォークシャフトがちょっとくすんで居る点。よく見るとフォークの摺動部分はほぼ地金が出ているのですが、摺動部外側はくすんでいますのと、若干そのくすみが摺動部にかかっている点です。なんだろう、このくすみは...何かの処理がなされた痕なのか、それとも何かが付着した痕なのか...そぎ落として良いのかいけないのか分かりません。まさか、WPC処理とかDLC処理とかそんなことはやって無いと思うのですが。

ドッグは全く無傷

何度がガッツンとやったことが有る割には、全く傷がないっていうのも不思議。一説では車並みにギアが厚いと言われています。

歯面は完璧です。全く摩耗が見られません

ギアでよくあるトラブルは、歯面の虫食いらしいです。何かのトラブルで鉄片が入ると虫食いが発生し、以降伝染するらしいです。

そもそも中古でしたが、入手以来68000キロ辺りから12万キロを超えるまで、一応大事に乗ってきたつもりです。本当に12万キロ走ったミッションか?と思うほど綺麗でした。ギア関係は何もやること有りません。

ギアをばらしては居ませんのでギアシャフトのスプラインまでは見ていません。一応無負荷でギアがきちんとスライドすることは確認しましたが、得てしてバイクで問題になるのはスプラインに回転負荷がかかっている時にギアがスムースにスライドするのか?というところ。このミッションの場合、その気になってもカウンターシャフトはバラすことが出来ませんです。

シフター

曲がり、摩耗のかけらも見当たりません。そもそもシフターカム以外は力のかかる部分ではないですし。R100系はリターンスプリングが折れてさようならに成ることがまま有るようですが、R1100系は丈夫らしいです。

シフトドラム

一番懸念していたシフトドラムはアルミ製ですが、フォークがなぞる溝になぞられた痕跡はあるものの摩耗は殆ど見られません。一応シフトフォーク側にローラーが入っているからなんでしょう。本当に12万キロも走ったのですか?と思えるほどです。

シフトフォーク

流石に

ちょっと

摩耗が見られます

その他、ベアリング類もチェックしましたがこのまま使えそうです。交換するとしたらシフトフォークぐらいしかありません。シフトフォークもこのまましばらく使えるといえば使えます。

以前、高負荷加速中にガーっという音を発していたため、ドライブトレーン一式(M94ミッション+ドライブシャフト+スイングアーム+ファイナルドライブ)を若いものに交換し問題が解決したのですが、今回開けたミッションの中を見て思うに、どう考えてもミッションやドライブシャフトが問題だったようには思えないのです。思うにファイナルドライブユニットが原因だったのかなぁという感じです。ミッション単体の性能はM97の方が上(シフトフィーリングなど)ですので、機会が有ったらもう一度ミッションだけM97に戻そうかと思います。強いてやることと言えばシフトフォークの交換ぐらいでしょうか。ただ、シフトフォーク部品代だけでも相当な値段しますので、もったいないですが若いM94をバラしてフォークだけM97へ移植するという案も考えられます。もしくはフォークやフォークスライダーにWPC処理を施すというレース用?対策もあるようです(結構高価です)。

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